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早く起きた。コーヒーとバナナ。台湾案件の仕事、曲を作る。なんとなく掴めてきたところで昼、カレー。午後も引き続き作業。とりあえず形になりそうなものが一つできた。夕方、中井さんちへ。娘のあおちゃんが誕生日にギターがほしいと言うからプレゼントしたはいいけど、そのまま置いたまま。教えてあげれないかと聞かれて、とりあえず家に行ってみた。あおちゃん、ほぼ初めまして。最初、全然心を開いてくれない。ギター、弾く?と聴いても首を振る。ま、やりたくないなら仕方ない。なんとなくだけど、「教わる」という行為が恥ずかしそうだった。できないことをしようとするのは恥ずかしいよな。ギターを教えるのは諦めて、カードゲームをいっぱいした。レゴもした。楽しかった。
帰ってご飯。まだ時間もやる気もあったから作業。いい感じのコード進行を思いついた。コード進行から曲を作ることは最近していなかった。昔から馴染みのあるやり方。バンドでセッションしながら曲を作るときは、とりあえずコードをなんとなく決めて「せーの」で音を鳴らしてみて、違うなあと思ったら止めて、直すところを決めて、また「せーの」でやってみてカッコよくなったら次へ…というのを繰り返しているうちに曲、というかトラックができた。で、全部のバンド演奏が出来上がってからそこにメロディーと歌詞をのせていた。こういうやり方だから、レコーディングの最後、歌入れが始まるまでメンバーやスタッフはもちろん、自分でさえ「どんな曲なのか聞いたことがない」ことが大半だった。自分のイメージとしては、バンドの演奏が映画でいうとロケーションだったり組み上げたセットや照明で、メロディーと歌詞が役者・キャラクター。まず背景を描いてからじゃないと、何をどう歌うべきかイマイチ掴めない。僕の癖。しかし、やっぱり、もっとどういう曲なのか分かってからレコーディングに入りたいというリクエストがメンバーから出る。まあ、そりゃそうだ。あと、さっき書いたやり方だと曲を作るのにすごく時間がかかる。というわけで、ここ3、4年くらいはメロディーやコード進行、曲の展開はある程度出来上がった状態のデモを作って渡して、そこからバンドで肉付けしていくやり方に変わっていった。で、そのやり方をソロでも自然と続けているなと今日気がついた。一人でやるけど、自分が好きだった、セッションしながら背景を作って、その中でキャラクターを動かしていくやり方に戻してもいいかもしれない。最近ずっと思っている「歌いたいことなどない」というのは結構本心だけれど、それは、自分からわざわざ表明したい言葉がないだけで、描きたいものがないということではない。僕はやっぱり、油断するとそのまま消えそうな声に興味がある。それを掬い上げるには、太い文字のスローガンでは似合わない。歌うためのBGMが、やはり映画のように、寄り添っていてくれていないといけない。