9/8
雨。朝7時に起きて、コーヒーを飲みながら短編SFを一編読んで、10時ごろ作業を始める。ここ数日ずっとそんな感じ。
今日はちょっと調子が良くなってきて、何本か通しで歌えた。納得できるまではまだまだだけど、やっとやり方がわかってきた。そもそも歌が得意じゃない。でもなんか、歌いたい気持ちはある。ビャーん!と歌で圧倒したい気持ちがない。声を使ってかっこいいものを作りたい。音が出るものの中で、一番自分っぽいのはやっぱり声だから。
8月は、いろんなことに悩んだ。きっかけは些細な、プライベートな事柄。それでゆっくり精神的に落ちて行っちゃってた。一人で曲を仕上げるのは初めて。うまくいかなくて嫌になった。でも簡単には投げ出さずに取り組んだ。できることより、できないことが目に付く。途中で疲れた。ふと、「さみしい」という感情を持っていることに気がついた。これは意外だった。アルバムを作る意気込みは、言葉ではキープしていた。けれど、来る日も来る日も音楽を作ろうしても心が全然動かない。「何をやってもダメ」という状態、生き生きしたものから遠くにいる感覚が続いた。見失った。何かがない。それが何かわからない。何日も分からないから、ああ、これはもう全て「ない」んだなと感じるようになった。自分にはもう歌うべきこともないし、技術も、才能も、気力もない。潮時だな、と考えた。音楽をやっていかなくても、いいわけだし、人生。その方がいい。そんなことを考えた。
10年バンドをやった。思わぬ形で幕切れ。もちろん自分の意思でもあるわけだし、後悔は悲しいくらいない。10年続けたという事実が自分に重くのしかかっている、ということもない。これ以上ない美しいものを間近で見た。たまたま自分がその当事者だった。俺の運命ちゃん、グッジョブ。じゃあ、これから先もよろしくやっていこう。そう簡単にハンドルを切れなかったのは、「夢、叶ったな〜」と、全部終わった時に思えてしまったからだった。ただただ、バンドをやってみたかった。十分できた。勝手に叶ったわけではない。超一生懸命やった。大変なことがいっぱいいっぱいあった。人には話せないことばかりが年々溜まっていった。最後の方は正直、疲れ果てていた。だから、しばらくなるべく何も考えないようにした。考えたくなかった。今年に入って、ゆっくりやる気が出てきた。しかし一人でやるとなると、思った以上に大変だった。もうすぐとにかく、一曲できそうだなってところで、急にまたドスンと落ちた。今書いたような事がフラッシュバックした。でもなんとなく、それも必要な時間だったように思う。抱え込みすぎる癖がある。人に話した方がいい。自分の話をした方が、人も話してくれるじゃん、ということに今更気がついた。