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起きてパン。お茶。午前中、打ち合わせ一件。昼、車で気に入ってるカレー屋いってついでにIKEAまでドライブ。必要なもの買って帰宅。15時、皮膚科。年末に出た口唇ヘルペス、治ったのだがいまだに痛いのが不安で診てもらう。ヘルペスウィルスは神経を傷つけながら患部に出てきて悪さをするんだけど、その傷ついた神経が完治後も痛むことがあっておそらくそういう状態だろうとのことだった。なるほど。薬をもらって帰る。夜は魚焼いて食べた。久しぶりにランニング。そのあとゆっくり風呂に入る。
風呂につかりながら、なんとなく去年一年を振り返った。そういえばちゃんと振り返っていなかったよなあと思った。
去年も1月から3月はライブは休んだ。例外的にちょっぴりやったけど。1月はたっぷり休んだ。韓国に旅行行ったりした。あと、音楽をいっぱい聴いた。ライブをやってると落ち着いてレコードを聞いたりライブ見に行ったりあんまりできないから。韓国から帰ってきてすぐ「三九」を作ってリリースした。4月からはライブがいっぱいあった。ライブしながら曲を作り続けたけどほとんど未完に終わった。まあ、ポケモンスリープのCMに曲作ったり、ロロの劇に主題歌提供したりできたから予定ではもっと作る予定だったけどまあ合格、OKだ。そう、去年は制作の年にしようと思っていたのだった。『大吉』を出して一年もライブをやればオファーも落ち着くだろうと考えていたから。しかし蓋を開けてみたらむしろライブオファーは増えた。増えるってことは2023年にやったライブが評価されているってことだなと思った。求められているならやった方がいいなと思って、ライブを頑張った。もっとよくできる気がしていた。
1月のお休みの期間に、UFOクラブにオシリペンペンズのライブを観に行った。モタコさんを観ながら「ライブの初っパナからフロアに降りるのかっこいいな」と思った。なんというか、しゃら臭さが一切ない。2月にホムカミのなるちゃんの卒業ライブに出演した時に真似してみた。実践してみた。成功。「やっぱりこれだ」と感じた。それ以降かなり吹っ切れた。この感じをバンドにも持ち込もうと考えて、6月にやったツアー「予感」から「フルタイムフル勃起」というテーマでライブの始まりから全力でフロアに降りてパフォーマンスした。これもやっぱり「よし、掴んだぞ」っていう感じがした。自分のものにできそうだと思った。
レゲエマンデーを始めたのも去年は大きかった。偶数月の月曜日にジャマイカンミュージックをゆっくり聴くイベント。そこでいっぱいレゲエを聞いたこと、並行してキングタビーの本を読んだことがライブのスタイルにかなり影響した。アイデアとしては、サウンドシスムを盛り上げるディージェイのスタイルを自分のライブに持ち込んでみようと考えた。MCも、曲と曲の間のトークコーナーではなく曲や歌の一部として、もしくは盛り上がるのに必要な前口上として喋べる、というイメージでやってみたらいいかもなと。曲中も、歌いながら歌詞以外のことを言い放ってもいいではないかという開き直りがあった。ダイレクトにオーディエンスに語りかけたいし、そのほうが盛り上がる。うん、盛り上げたいっていうシンプルな気持ちがかなりあったな。曲を表現したいとか、伝えたいとか、まあもちろんそういう願望はゼロではないけれど、「盛り上げるにはどうしたらいい?」とずっと考えた一年だった。
4月以降はほんとずっとライブしていた。ライブして、物販売って、空いた時間でクラブ行ったり野球見たり温泉行ったり。どこへ行っても本気でやれたし悔いとかはまじで一切ないな。フジロックも出れたし、台湾も行けたし。バンドもソロも充実してた。バンドがかなりかなり楽しかったな。オッパーラも良かったし、青山やシャングリラも良かった。台北ももちろん良かった。けどちょっと、初海外ってこともあって固いところもあった。ライブは簡単ではない。ちょっと固かった台北を経てからのシャングリラはメンバーみんな吹っ切れていてとても良かった。やっぱり、のびのびやるのがいいのだ。音楽は気晴らしだ。気を晴らすのだ。台風一過のイメージで、台風のようにガバーっとやれば、あとは勝手に晴れる。台北から帰って来たあとは、正直ちょっと段々息切れしちゃった感じもある。単純に体力が切れちゃった。体調がちょっと悪くて、それをリカバーするのが難しかった。けど本気でやることはできた。だからこそ、体力が大事だということを感じることができた。今年の前半は曲作りと体力作りをしなくちゃいけない。
話が少し戻る。曲作りに関しては、去年は数曲しか出来上がらなかったけど、作ろうとしたことがとってもいい経験になった。完成しないことも大事だった。自分が何を気に入らないのかとか、自分がグッとくる感じにどうして持っていけないのか分かったし、そもそもどうして曲を作ろうとするのかとか根本的な部分をゆっくり考えることができた。ライブをいっぱいやったり、人にいっぱいあったり、世の中と多く接触すると、それぞれに対して何か言いたいこと、言ってやりたいことが心の中に発生する。物申したい気持ちが発生する。それって、あんまりいいことじゃない。世の中に対してとか、誰かに対して、言いたいことが何もない状態でいたい。何もない状態じゃないと曲とか歌詞とかが汚れちゃう気がするし、なんか、あんまり面白くないというか、思い描いているSummer Eyeの表現したいものとはズレる。だから、ライブをやりながら曲を作るのってかなり難しい。そう気づいた。
今年に入って、とりあえずSNSから離れて、言いたいことが何もない状態に、世の中のことは何もわからないっていう状態に、フラットな気持ちの状態に持っていこうとしている。そろそろなりそうな気がする。全然情報が入ってこなくても、いや、入ってこないくらいで超ちょうどいい。それでも世界の面白いものにはたくさん触れられる。頭も体も良く働く気がする。去年だったか、一昨年だったか忘れたけれど、赤鹿ちゃんの師匠の言葉、「ちゃんと遅れているかどうか確認する」というセリフが今もう一度心に響いてる。流行りに乗り遅れていないかせかせかするのではなくて、ちゃんと世の中から遅れているかどうか確認しよう、と。あと、吉本隆明の「詩は静寂から始まる」(正しい言い回しかはわからんが)って言葉とか、「人生」を作る前に「なんも言いたいことがないんだよね〜」と王舟に相談した時に「最高じゃん、それがスタートだから!」って言われてことを最近よく思い出す。